通りを挟んでまっすぐ見つめる
レンズの歪みを軽減するために
出来る限りズームして撮ることにしている。そうすると、アップになってしまうので、出来る限り距離を取る。道の向かいにあるものを、まっすぐ撮ろうとする。そうして、撮るものの多くには、線が含まれている。鉄格子や棒、タイルの線。そうれらがずれて見えないように、これまたまっすぐカメラの角度を調整する。
水平と垂直。空中で整えるのは難しい。なんせ空中なので。重力を感じながらスポンと落っこちる方向へ。左右にカメラを揺らして、垂直ラインを整える。 そうしてパシャリ、シャッターを押す瞬間にわずかにずれてしまうのだ。
通りを挟んで撮った写真
できるだけ光もまっすぐ射しているのがいい。影もまっすぐ落ちていると気持ちがいい。ぼさっとした影はそれはそれでいいけどね。
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揺らめく水面はサイケデリア。ビルの窓に光が反射して、水面をまっすぐ進んでくる様子。
ご苦労さまです、工事現場
と言いたくなるわけです。
近所の中華屋で野菜タンメンを味わっているところ、昼の休憩中と思われる工事員の人たちが、現場の話をしているわけです。聞くわけでなく耳に入ってくる話によると、何やらお疲れの様子。現場での作業手順とか作業効率とか、配置された人員のスキルの話とか、そういう感じ。デジタルなものづくりと違って、物理だと手戻りもしづらいしねぇ、と頷きながらタンメンをすすった。
せめて写真を取る時に邪魔をしないようにしようと思うのでした。いや、邪魔はしていません、決して。たぶん。いや、決して。早朝とかにしか撮っていないしね。
工事現場関連の写真
なんかなんとなく曇りの日に撮ったものがおおい。構築、構築、構築。店まで届け工事現場。という感じ。
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ずーん。マンションの隙間から光が射すのです。日常に、特別なものが侵入してくる。そういうものがおもしろい。
そう睨みなさんな
と、近所の猫に言いたい。
住宅に囲まれた小さな公園を抜けると、数十秒のショートカットになる。朝は緑の気配を感じたいということもあり、このショートカットに向けて小さな通りに入っていく。通りの行き止まりには不自然に白い社宅があるが、その手前に植木鉢に囲まれた木造住宅がおもしろい気配を出していて近寄る。
そうすると、植木鉢の塊の横に小さな黒い塊、猫が鋭い目つきでこちらを睨みつけている。ちっとも逃げる気配はなく、邪魔者がいなくなることを待ちに待っている。ので立ち去る。目をそらして立ち去る。眼力に負けるのだ。
猫に近づけば写真を取れるかもしれない。恐ろしく警戒して飛びかかろうとする、凶暴な野性的一面が。
地面周辺の写真
落ちていたり、ヒビが入っていたり、光ったり。地面はいつも楽しませてくれる。
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パイプはともだち。
紅葉感
紅葉の高揚感
と言ってみたかっただけ。少し山に近い方へ行くと、一部の木々が紅葉し始めている。抱えられそうな太さの木の根元には、きれいに整備された芝生がしきつめられており、一面緑色の中に、灰色の落ち葉がちょうど良いバランスで配置されている。
太陽の場所によっては、緑色の木々は濃い影を落とし、黒い背景色に見えてくる。スポットライトを浴びるのは、紅葉した木々。風で揺れながら同じ場所に立ち続けてくれる。これはよい、とシャッターを切る。紅葉を撮る人の気持がわかった気がする。
そういえば以前住んでいた場所の敷地内には、壮大という言葉を使いたく鳴るほど巨大なイチョウの木々が何本も生えていた。この季節になると、銀杏を踏まないように気をつけながら大通り沿いに歩いていった。
紅葉し始めを撮った写真
木と紅葉だけを撮りたかった。それ以外が入らないように、近づいて、近づいて。
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木漏れ日はどこにでも現れる抽象の破片。揺れる光を押さえていきたい。
写真、枯れる前にね
花は落ち、植物は枯れる
ので写真に撮られることが多いのでしょう。元々そんなに植物を注視する生活をしてこなかった身としては、写真を撮ることでよく見ることになりました。
そうすると、1週間という時間、1日の中でも、その日の天気や気候によっても、どうも草花の様子はまったく変わっている。萎れたり、元気になったり、しぼんだり。
植物の写真をよく撮る人は、こういう事象に詳しくなって、ちょっとした自然との対話を始めるのでしょう。
枯れる前に撮った写真
花だから、枯れるではなく花が落ちる、だろうか。落ちる前の花や、落ちた後の花は趣があってよいです。
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電柱はなんというか規定演技。
写真、学舎にて
ふとしたきっかけで
学校の建物内に入る機会があった。人の気配は少なく、電気が少ない教室は本当に静かで、誰もいない。もう随分昔から、ずっとそうだったように感じられたが、本当はついさっきまで授業を受ける生徒がザワザワとそこにいたはずなのだ。
中庭にも人がおらず、きれいに手入れされた植物たちだけが、少し強まってきた風に吹かれてザワザワと揺れた。
特別に静かで、なんだかとても寂しさを感じるられる時間だった。極たまにであれば、こういう時間と空間の感じ方も悪くないと思う。
校舎で撮った写真
暗めの写真ばかり。時計の針の音が聞こえてくる、かもしれない。
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この時はこういう、黒が多くて画面が引き締まった写真を撮りたいタイミングだったんだろうと思う。静寂感。
都会の空は狭いらしい
見上げると建物の影
が見えるというくらいには、都会の空は狭いらしい。ご近所でも川沿いでない限りは、周りをマンションやらなんやらで囲まれていて日当たりが心配になる。洗濯物がちゃんと乾くんだろうか、とかね。
空を見上げると壁とセットになるならば、壁と空をセットで撮ろう、となる。(なららくても良い。
壁と空の比率は1/1、もしくは2/1がよいと思う。きれいに画面を分割することで、心の平行も保たれる。かもしれない。
空と壁、または空、壁の写真
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カラーコーンを撮ることは、人を撮ることに似ているかもしれない。ポートフォリオ感覚で。